「はい?」 あたしは、素っ頓狂な声を上げる。 あのジュースのことから少し。美咲はベッドへと上がってきてあたしを後ろから抱きしめると、いきなりとんでもないこと言ってきた。 「え、えっと……」 言われたことはちゃんと聞いてたし、理解もしていたけどあたしは抱きしめられたまま、首をひねって美咲を見つめた。 「だから、しよって言ったのよ」 「っ………」 わ、わかってたけど聞き間違いじゃないみたい。 「何よ、嫌なの?」 「そ、そんなことは、ない、けど……」 も、もちろん嫌なわけはない。恥ずかしいのは今でも慣れないけど嫌だって思ったことは一度だってないし、美咲をすっごく近くに感じられて美咲と一緒に溶け合う感覚は、その……好きだから。 ただ、何の心の準備もしてなくいきなり言われればやっぱり戸惑っちゃう。 「な、なんで急に……?」 「今日はそういう気分なのよ」 美咲は、幸せそうに微笑む。 美咲がたまに見せる笑顔。普段の笑顔とはまた違う、本当に嬉しそう、幸せそうな笑顔。 あたしはこの笑顔に見せられるだけで、くらっと心が揺れる。 「き、気分って……」 「じゃあ、もっと彩音のことを感じたいからっていうのじゃダメ?」 言いながら美咲はあたしを抱く腕に力を込めた。 その反動でただでさえ近かった顔が、キスをしそうなくらいに密着する。 (あ………) そして、視線が交差したあたしは、美咲の目が情熱的な光を発しているのに気づく。好きっていう想いがいっぱいにつまった視線。 「……んーん」 その瞳に、うまく言えないけどあたしは美咲の気持ちを感じ取った。 「駄目じゃない」 あたしは抱かれていた美咲の手に自分の手を重ねると、ゆっくりそれをほどいて、体を向きなおすと指を絡める。 「彩音、愛してる」 そしてあたしは、美咲の愛の言葉を聞き、 「うん……」 ベッドに倒れ込みながら口づけをした。
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……拍手での続き……あるべき、ですよね。次の更新の時に……おそらく。